Microsoft社のデータベースであるSQLServer 2008 のインストール手順全てを、実際にインストールしながら分かりやすく解説していきます。
目次
- 1 インストール環境
- 2 SQLServer 2008 Developer のインストール
- 2.1 セットアップの実行
- 2.2 インストールセンターの表示
- 2.3 システム構成のチェック
- 2.4 プロダクトキーの入力
- 2.5 ライセンス条項の確認
- 2.6 セットアップサポートファイルのインストール
- 2.7 システム構成の詳細チェック
- 2.8 インストールする機能の選択
- 2.9 インスタンスの構成
- 2.10 必要なディスク容量の確認
- 2.11 サービスアカウントの設定
- 2.12 照合順序の確認
- 2.13 管理者アカウントの準備
- 2.14 データディレクトリの設定
- 2.15 FILESTREAMの設定
- 2.16 エラーと使用状況レポート
- 2.17 再度インストールルールの確認
- 2.18 インストールの準備完了
- 2.19 インストールが始まります
- 2.20 インストール完了
- 2.21 結果の表示
- 3 インストール後の構成
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インストール環境
インストールする環境は以下のとおりです。
OS | Windows7 Pro 64bit |
---|---|
SQLServer | 2008 Developer |
Visual Studio 2008 と SQLServer 2008 を同じマシンにインストールする場合は注意が必要です。
- Visual Studio 2008 を入れてからSQLServer 2008 を入れる場合
SQLServer 2008 を入れる前に、先にVisual Studio 2008 SP1 を適用しておく必要があります。そうしないと、SQLServer 2008インストール時にエラーが出て失敗してしまいます。
それでも続けた場合、以下のエラーが表示されます。
- SQLServer 2008 を入れてからVisual Studio 2008 を入れる場合
SQLServer 2008をインストールした後からVisual Studio 2008をインストールすると、VBやC#が正しくインストールされないことがあるようです。その場合は、Visual Studio 2008の修復セットアップを実行することで、正しくインストールできるようです。
SQLServer 2008 Developer のインストール
それでは、SQLServer 2008のインストールを開始しましょう。Administrator権限を持つユーザでログインした上で、インストールメディアを挿入します。
セットアップの実行
セットアップを実行すると「プログラム互換性アシスタント」という警告メッセージが表示されます。これは、SQLServer 2008のサービスパックが出ているから当てなさいね、という警告です。「プログラムを実行」をクリックして進めていきます。
インストールセンターの表示
SQLServer 2008のインストールに関する各種メニューが並んだインストールセンターが表示されます。
左のメニューの「インストール」をクリックし、右側の「SQLServer の新規スタンドアロン インストールまたは既存のインスト-ル機能の追加」をクリックします。
64bitOSにSQLServerをインストールする場合、何もしなければSQLServerの64bit版がインストールされます。もしどうしても32bit版をインストールしたいようであれば、左のメニューの「オプション」をクリックし、右側の「x86」を選択すれば、32bit版がインストールできます。
システム構成のチェック
「セットアップ サポート ルール」の画面が表示され、インストールするマシンのシステム構成がインストール条件を満たしているかどうかがチェックされます。「OK」をクリックします。
プロダクトキーの入力
プロダクトキーを入力し、「次へ」ボタンをクリックします。
ライセンス条項の確認
この画面ではライセンス条項が表示されますので、内容を確認の上、「使用許諾契約書に同意する」にチェックを入れ、「次へ」をクリックします
セットアップサポートファイルのインストール
SQLServer 2008のセットアップに必要なサポートファイルをインストールします。「インストール」をクリックします。
システム構成の詳細チェック
もう一度「セットアップサポートルール」画面が表示されます。インストール条件を満たしているかどうかのより詳しいチェックが入ります。「次へ」をクリックします。
Windowsファイアウォールの設定が[有効]になっている場合は、画像のように警告が表示されます。このままインストールを継続することは可能ですが、ファイアウォールが有効になっていると、ネットワーク経由で他のマシンからアクセスができないよという旨の警告です。
ネットワーク経由で他のマシンからアクセスしたい場合は、SQLServerが使用するポート(データベースエンジンの場合、デフォルトでTCP 1433)を[例外]として設定しておく必要があります。詳細はオンラインブック「SQL Server のアクセスを許可するための Windows ファイアウォールの構成」に記載されていますのでご確認ください。
インストールする機能の選択
SQLServerと一言で言っても、アプリケーションとしての機能は沢山存在します。その中でどの機能をインストールするのかをこの画面で指定します。後からインストールすることもできますので、とりあえず最低限の機能だけインストールしておくと良いでしょう。
SQLServerのデータベースとしてのメインの機能である「データベースエンジンサービス」と、データベース管理ツールである「管理ツール(基本・完全)」にチェックを入れます。右下にある「共有機能ディレクトリ」は、変更しないでおきます。
※今回は64bit版をインストールしているので「共有機能ディレクトリ」が2つ存在しますが、32bit版の場合は一つしか表示されません。
入力できたら「次へ」をクリックします。
インスタンスの構成
SQLServerをインストールした後に、アプリケーション等からSQLServerにアクセスする際には名前を指定する必要があるのですが、その時の名前をここで指定します。SQLServer 2008を初めてインストールする場合は、画像のとおり「規定のインスタンス」を選択しておいてください。
「名前付きインスタンス」を選択して名前を入力した場合、「コンピュータ名\インスタンス名」がSQLServerの名前になります。それに比べて「規定のインスタンス」を選択した場合は、「コンピュータ名」がSQLServerの名前になります。
インスタンスについては別途詳しく説明しますので、このまま「次へ」をクリックしてください。
必要なディスク容量の確認
インストールに必要なディスク容量が提示されますので確認します。
サービスアカウントの設定
SQLServerは、Windowsのサービス(バックグラウンドで動くプログラムのこと)として動作しますが、そのサービスを実行させるアカウントを指定します。
とりあえず、図のとおり「アカウント名」には[NTAUTHORITY\NETWORK SERVICE]を、「スタートアップの種類」には[自動]を選択しておいてください。入力ができたら「次のページ」へ行く前に、「照合順序」タブをクリックしてください。
照合順序の確認
「照合順序」タブをクリックしたら、「データベースエンジン」のところに「Japanese_CI_AS」と表示されていることを確認(変更しなければ初期値はこれですが)し、「次へ」をクリックします。
管理者アカウントの準備
この画面では、SQLServerのログイン認証モードや管理者としてログインする際のパスワードを指定します。
SQLServerを管理する上で、管理者アカウントは必ず必要になるのですが、その管理者IDを設定するには2つ方法があり、一つはWindowsのユーザIDにSQLServerの管理者権限を紐付ける方法と、もう一つはSQLServer独自にユーザIDを用意する方法です。
「Windows認証モード」では、WindowsのユーザIDによる自動ログインしかできなくなりますが、セキュリティは高まります。「混合モード」では、WindowsのユーザIDも使えますが、それ以外に「SA」(※1)というSQLServer専用の管理者ユーザIDによるログインが可能になります。本番環境ならともかく、開発や検証用環境であれば「混合モード」を選択しましょう。
(※1) SystemAdministrator の略
「ビルトイン SQLServer システム管理者アカウント」の「パスワードの入力」欄にパスワードを入力します。ここで入力した内容が、SQLServerへ管理者としてログインする際のユーザID「SA」に対するパスワードになります。
さらに、「現在のユーザーの追加」ボタンを押すことで、今操作しているWindowsユーザIDを、SQLServerの管理者IDとして登録することができます。後から変更することも可能ですので、「現在のユーザーの追加」をクリックして追加しておきましょう。
全てできたら、「データディレクトリ」タブをクリックしてください。
データディレクトリの設定
この画面では、SQLServerが動作する上で必要になる各種ファイルを格納する場所を指定します。特に理由が無ければ初期値のまま進めましょう。「FILESTREAM」タブをクリックしてください。
FILESTREAMの設定
この画面では、SQLServerのデータベースの中にテキストファイル等のファイルを格納できるようにする機能を有効にするかどうかを設定します。今のところは使用しないので、このまま「次へ」をクリックします。
エラーと使用状況レポート
よくある使用状況をマイクロソフトに送るかどうかの画面です。ここはどちらでも構いませんが、私は両方ともオフにします。「次へ」をクリックします。
再度インストールルールの確認
さっきと同じでインストール条件の確認です。「次へ」をクリックします。
インストールの準備完了
ここまで来てやっとインストールの準備が整いました。インストールするSQLServerの機能や、格納場所、作成するインスタンスの情報等が記載されています。「インストール」をクリックします。
インストールが始まります
インストールが始まります。少し時間が掛かりますが、途中で何か聞かれることも無いので放っておきましょう。
インストール完了
インストールが完了しました。画面中央に、全ての機能のインストールが完了した旨が表示されています。「次へ」をクリックします。
結果の表示
インストール操作が全て終了した結果が表示されます。「閉じる」をクリックすれば終了します。
「閉じる」をクリックするとこの画面が表示されるので、「×」をクリックして終了しましょう。
インストール後の構成
SQLServerのインストールが終わったら、「スタート」メニューの「すべてのプログラム」に図のように追加されているのが確認できます。画像内の枠で囲んである「SQL Server Management Studio」が、データベース管理ツールになります。SQLServerにログインする際はこのプログラムを起動します。
以上が、SQLServer 2008 Developer のインストール手順です。
とても参考になりました。というより、そっくりそのままの設定で済ませました。
親切・丁寧な説明でとても解りやすかったです。
感謝いたします。